「杉本好夫の世界」開催中 〜切り絵とデジタル版画〜   5月31日まで


神戸、再度山から見た切り絵を、感慨深げに見ていた方がいた。「若いときこの近くで働いていたのです」と。それぞれの風景にはそれぞれの歴史がある。月日を経て遙か過去の出来事なのに、ある風景を見ると昨日のことのように、その時間がよみがえってくることがある。それは懐かしい中に、少しほろ苦さも入っている、そのような光景として。そして、思い出した人は誰も入ることのできない自分との対話を始める。風景がただの風景ではなくなる瞬間なんだと思う。

 飛行機で夜に伊丹や関西空港に着くときいつも思うことがある。夜はこんなに明るくていいのだろうか、という思いだ。人工衛星から見ると日本列島は煌々と明るいという。以前、多数のクジラが岸に押し寄せ自死したことがあった。クジラの大量死はこの光に狂わされたのではないか、と思っている。
 少し話が飛んでしまった。杉本好夫さんがカッター一本で切り抜いた作品を多くの人に見てほしいと思う。
ふうらの自由帳の記事は・・・・「引力」68号・・その1