婆娑羅大将 

 お客様にまず「婆娑羅大将」を見ていただくようにしている。この2点の婆娑羅大将を見ていただくと、展示してある作品群がカッター一本で作っていることがよくわかっていただけるように思うからだ。影になっている皺のような線は一ミリ。それをカッターで切り取る杉本さんだ。カッターの刃を紙に埋め込み、指の力がカッターに伝わっていく。細い線が刻み込むように切られていく。
 婆娑羅大将は十二神将の一人で薬師如来を警護している。十二神将はそれぞれ、方向、時間を警護しており、その中で婆娑羅大将は、丑(干支)の方向、時間を警護し、煩悩と戦っている。丑(干支)の時間は午前1時〜午前3時ことだ。
 紙を切り「切り絵」を制作している杉本さん。日付が変わりしばらくした時刻、婆娑羅大将に守られながら杉本さんは切っている。大将が戦っている煩悩とは何だろうか。
 

ふうらの自由帳は・・・・・「まい土」です