松永優藍染色展6月25日(土)から7月5日(火)まで

松永優さんの作品にはとても物語がある。「遥かな旅の幻想」では、天空に月が配置され、山が金色色に光っている。山々が寄り添うさまは神様を信じない私には、新しい西方浄土のイメージさえ浮かんでくる。その下を飛んでいる鷲は「孤高」だろうか。前を見つめ、波のようなものの上を飛んでいく。そして、そのすべての源のような水の下には、朝鮮半島で描かれた12神将の一部が描かれ、そして、まだその下には小さい石やうごめくもののようなものが配置されている。それはあたかも、現世のようにも思える。私たちはどへ行こうとするのか。作品世界の中を遊びながら問いかける松永優さんがいる。

初日のトークタイムには20人近くの方が来てくださった。松永さんは冤罪事件で5年間、後の18年間は国賠請求の裁判をされている。事件に巻き込まれた1971年。23歳からの23年間を、作品を作りながら国家、裁判とかかわることになる。作品世界ではそういう厳しい人生を送ってきたことを感じさせない。厳しい世界を潜り抜けてきたからこそ、昇華されたものとして表現されているのかもしれない。イメージが時間、空間を、自由に飛び立っていく。そのような藍の世界を見に来ていただければ幸いです。









お話をする松永さん









スペースふうらの展示の様子



















生命の夜と霧































豊穣な航海