逢魔ヶ刻


「逢魔ヶ刻」と名付けられた2枚の絵がある。作者は中野和典さん。逢魔ヶ刻とは昼と夜の境の時間。魔物が活躍し始める闇に向かう時間は夢とも出会う。捨てられたものはこの時間から活躍し始める。夢を見始めたものたちは、なんと恍惚とした目をしているのだろう。宇宙から見ると日本列島は明るく見えるという。エネルギーを浪費し、いつでも煌々と明るく照らされている現代。魔性と逢うのは「ゴミ」と呼ばれる山の中にあるのかもしれない。

役目を終えた豚はパンの夢を見て寝相悪く壁を突き破ってくる。壁をよじ登って異世界に来る子供たち。勢いよく川に飛び込むように魔性の住む世界に飛び込んでくる。廃棄されたものが積まれている。トカゲは優しい目でじっと見ている。
 今スペースふうらに展示してある大作のうちの2枚。美術館にはないこの空間で、ゆっくりとごらんになってください。

+